武蔵野市関前、緑があふれるグリーンパーク遊歩道や子どもが水遊びできる関前公園の近く、栗畑のお隣に建っている謎の小屋の1階、そこがクラフトハウスばくです。
入り口からは中が見えづらいため、一体ここは何なのかずっと気になっているご近所さんも多いかもしれません。
今回は、クラフトハウスばくって一体どんな場所なのかを、運営者の小境(こざかい)さんにお話を聞きながらご紹介したいと思います。
小境範子さん プロフィール
クラフトハウスばく 運営
むさしのヒューマン・ネットワークセンター(現:武蔵野市立男女平等推進センター ヒューマンあい)で勤務したのち、2008年に「クラフトハウスばく」を立ち上げる。
ボランティアグループ「らっこの会」や、「夫婦別姓選択制をすすめる会」の事務局も務める。
日替わりの玄米ランチや、体にやさしい食べ物の販売
クラフトハウスばくのランチは「ワンデイシェフ」ということで、日替わりでいろんな方がランチを作っているんですよね?
そうです。
玄米はうちで用意していて、一晩浸水したものを圧力鍋で炊いています。
モチモチになって食べやすいんですよ。
おかずやお汁などをワンデイシェフの皆さんが作っています。
グルテンフリーランチや、お肉を使わないランチ、新鮮な野菜を使ったランチなど、それぞれ工夫されています。
数に限りがあり、大体いつも10食前後くらいになるので、事前に予約していただくのが確実です。
テイクアウトも可能ですよ。
ワンデイシェフも募集していますか?
はい!
ここでランチを作ってくれる方を募集しています。
小さなことから始めてみたい方におすすめです。
過去には焼き立てパンのランチや薬膳ランチ、調理学校に通っていた生徒さんが作るから揚げランチなどもありました。
ランチ以外にも食べ物の販売があるんですよね。
西東京のrosemary-bagelさんのベーグルが月曜と金曜に入荷します。
それと、むめも堂さんの米粉のシフォンケーキなどのお菓子が金曜に入荷しますよ。
また、無農薬野菜などを取り扱うななまる商店さんの野菜やみかんジュースも取り扱っています。
ほか、ベトナムで生産された天日海塩「カンホアの塩」や、フィリピン・ネグロス島の黒砂糖「マスコバド糖」なども販売しています。
ばくはカフェとしての利用もできて、フェアトレードのコーヒーなども飲めますよ。
最近ではシェアキッチンも増えてきて、お店を始めたい人がチャレンジしやすい環境が増えましたね。
でも、ばくではずっと前からシェアキッチンのような取り組みが成されていたんですね、すごいです。
フェアトレードの商品もずっと前から取り扱っていたんですね。
世界とつながる地域の集い場
ばくではイベントや講座なども色々開催されていますよね。
どんなものがありますか?
地域でPTAの活動もしている民族楽器アーティストの入江規夫さんのウクレレ教室、ばくのお隣にある栗畑の栗の木を使ってカトラリーなどを作るくりの木ワークショップや金継ぎ教室、編み物教室、ヨガやピラティス、ラフター(笑い)ヨガ、ハンモックに揺られながらマッサージが受けられるハンモックリフレ、朗読劇や紙芝居など、色々開催しています。
過去には味噌や肉まん、ピザ作りのワークショップや、綿を糸にして織るワークショップなど、色々ありましたね。
子ども向けだと、月曜は地域の「寺子屋先生」が宿題などを教えていたり、第2土曜は身近な折り紙などを使って作って遊ぶ「けいこ先生と作って遊ぼう~!」、そのほか中高生向けのマンツーマンでの英語教室などがあります。
そして、ばくでは「のぞみ塾」という取り組みを続けていて、
1.学校の指導のサポート
2.大人のお仕事紹介
3.みな食(しょく)=ひとりよりみんなで食べよう
の3本柱です。
私自身がひとり親で子育てをしていたのですが、ばくに集う人たちがそれぞれの家で別々に食事するよりも、みんなで食べようということになり、「みな食」が始まりました。
みんなで食べて、大人は飲んで、色々喋るのが楽しかったです!
今は子ども食堂という言葉も広がっていますが、ずっと前からみんなでごはんを食べる場を作っていたんですね。
早くコロナ禍が終わってまた気兼ねなく集まれるようになってほしいです。
また、息子の高校受験の時に塾に行かせる余裕がなかったのですが、当時既に社会人として働いていた娘と娘のパートナー、友人たちが講師役になって、ひとり親家庭支援の無料塾を始めました。
それが「のぞみ塾」になり、身近な大人たちから勉強だけじゃなく生きる力を学べるような場づくりをしています。
ばくに集う大人たちはとてもバリエーション豊かだと思いますが、そんな人たちから様々な話が聞ける機会があるってとてもいいと思います!
子どもにとってもいい刺激になると思いますが、大人も聞いてて面白いです。
ばくに集う大人たちの半生を聞いたり、みな食に来ていた子が大きくなってその子たちから近況を聞いたり、環境系のベンチャーに勤めている方のお話や、留学の話など…こんなに色々聞けるっていいですね。
そして小境さんの娘さん一家はフィジーで暮らしているんですよね。
語学留学のスタッフや日本語学校の運営経験もある娘さんに、フィジーで起業したパートナーのあきちゃん、フィジーでの子育てなど、とても珍しい話が聞けそうです。
娘さんやお孫さんたちとは遠く離れていますが、不安や心配などはありますか?
オンラインでつながっているので、あまり離れている感じがしないんですよ。
孫の写真も、写真共有サービスを使って毎週送られてきます。
おお、先進的…!
そういえば、去年は「ばっくり祭」を開催しましたね。
栗畑を管理している井口さんたちからこの辺りの歴史の話などを聞いたり、栗畑から生まれたイメージキャラクター「関まろちゃん」のデザインを子どもたちから募集したり、ばくだからこそできるいいイベントでした。
あらためて、ばくって色んなことができる場ですね。
元々はこの場所で渡辺さんたち兄弟が印刷会社を営んでいたのですが、ここで子どもたちが集まる場「ビデオアートクラブ」を作ったのがクラフトハウスばくができるきっかけです。
Video Art Club…VAC、それで、ばく。
悪夢を食べるばくが由来ではなかったんですね(笑)
でもばくはロゴになったり、ばくグッズも増えましたね。
始めたのが2008年、いつの間にかこんなに経っていたんですね。
今後も細々と続けていきたいですし、地域の方にも来ていただきたいです。
ランチを食べたり買い物したりワークショップに参加したり…
色んな使い方ができる空間だと思うので、何かアイデアをお持ちの地域の方に活用してもらいたいです。
ぜひ一度、ばくに遊びに来てくださいね。
追記:クラウドファンディング挑戦中!
2023年5月12日から6月末まで、クラフトハウスばく存続のためのクラウドファンディングに挑戦中です!
皆様ご支援ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
編集後記
私がクラフトハウスばくを初めて訪れたのは2014年。
当時所属していた地域活動団体で、地域の居場所を集めたマップの制作に取り組んでいた時でした。
中が見えないので入る時は勇気が必要でしたが、実際に入ってみると、多世代が集い、交流があり、何かを生み出す場であることが感じられて、この場所こそマップに載せるべきだと思いました。
ばくに限らず、魅力ある人や魅力あふれる場の存在が地域の人たちに伝わっていないもどかしさをずっと抱えていて、私が知っている色んなストーリーをどうにかして人に伝えたいと思っていた時にほかのメンバーと出会い、Meetむさしのでの活動がスタートしました。
私自身、ランチを食べながら他愛も無い話をしたり、辛い時に駆け込んでみんなに話を聞いてもらったり、私自身の可能性を広げるきっかけをもらったり、近所の顔見知りが増えたりと、本当に助けられた場です。
何かしら面白いことをやっているので、皆さんぜひ遊びに行ってみてくださいね。
ばくのサポーターも募集中です!