小西美穂子さん プロファイル
境おやこひろば 共同代表
武蔵境在住。3、5、7歳の3児の母。
2014年に境おやこひろばを共同代表の奥野さんと立上げ。
大学卒業後、民間企業に就職。アメリカ・ニューヨークの9.11を機に、外国人支援団体に転職。広報担当としてフルタイムで働いた後、長期の育休を経て、パートタイムで復職(のち同団体で在宅ワークにシフト)。現在、育児、在宅ワークに加えて、境おやこひろばの運営に従事。在宅ワークでの経験を活かし、コロナ感染拡大時におやこひろばの運営にオンラインを導入して運営を継続している。


ママ&パパ&キッズが笑顔になれる場所

MM 山中: 境おやこひろばの活動を教えてください。

小西: いくつか活動はありますが、「こらぼのコミセン親子ひろば」は、未就学児とその親を対象に、子どもを遊ばせながら、親同士が気軽にコミュニケーションを取れる場を目指した活動です。

市との“コラボの”(補助金)事業で、西部コミセンで毎月第2、4火曜日、及び武蔵境自動車教習所でほぼ隔月・第2日曜日に開催しています。年間延べ1,000人、毎回平均13組、親子30人程度に参加頂いています。毎回、親同士が気軽にコミュニケーションを取れるフリーの時間や紙芝居・絵本、手遊びなど、子ども向けのイベントがあり、ランチも取れます。地域デビューしたての親子、ワンオペのママ、パパなど様々な方に参加頂いています。

MM 山中: 毎回、参加者30人を超える参加となると運営も大変ですね。何人ぐらいのスタッフの方がサポートされているんですか?

小西: わたしたちは、市民団体ですので、常勤という方はいないのですが、何らかの形でこの活動に携わってくださる方は30人程度ですかね。スタッフは、主に未就学児から小・中学生の子どもを持つママが中心ですが、子どもが大好きなシニアの男性の方にも常時サポート頂き、本当に助かっています。みなさん、育児、お仕事などで忙しい中、この活動を支えてくださっています

出産前後の孤立感、モヤモヤから始まった

MM 山中: 活動を始められたきっかけを教えて頂けますか?

小西: 活動を立上げたのはちょうど、二子目を出産する直前でした。当時境エリアは常設の遊び場は桜堤児童館ぐらいしかなく、ママチャリ購入前の当時は自宅から遠く不便でした。その頃もコミセンで親子を対象にしたひろばがあり、第一子育児中の情報交換や知り合いづくりもしたかったのですが、私は初対面の方とコミュニケーションを取るのが苦手でなかなかこういう場も活用できなかった。

当時、広報担当だったため、育児をしながらフルタイムで勤務をすることができなくなり、一旦、仕事をお休みしました。すると、なぜかとても社会と隔絶され、孤立した感覚を持ちました。SNSで仕事に注力し会食や出張を楽しむキラキラした友達が眩しくみえ、すごくモヤモヤしていました。

そんな時に、子ども遊びの先生との出会いがあり、こんなことも、あんなこともできたらいいのに、考える中で、境おやこひろばの活動の立上げに繋がっていきました。 当時、これまで市が自前で子育て支援活動を展開していたものを、市民団体とコラボする方針に変わっていった時期で、これも私たちの活動を本格化させるきっかけになりましたね。

こんな場所があって良かった

MM 山中: 活動を行う上で大変なところ、逆にやりがいについて教えて頂けますか?

小西: まず、大変なところですが、スタッフの安定的な確保ですかね。基本的には「やりたい」と思っていただいた方に協力してもらっていますが、子育て支援団体の「あるある話」として、我が子の成長とともに、どうしても、関心の対象が移っていきがちです。また、共働き世帯が増え、平日スタッフとしてお手伝い頂ける方が全体として減ってきていることですかね。私たちの活動は(ケースバイケースですが)完全無償のボランティアというわけではありませんが、収入とは言えない程度です。一方で、地域活動に強くコミットしたいという方もいますので、そのような方にもっとアプローチできる対応を考えていかないとと思っています。 やりがいは、参加者から「こんな場所があって良かった」と言われることですかね。あと、何よりも活動を始めた私自身が救われたことです。活動前のモヤモヤした気持ちが解消しましたし、活動を超えたメンバー内の助け合いが大きな財産になっています。私も中学生のお子さんがいらっしゃる先輩ママと話す中で、自分の子育てで気づかされることも結構あるんです。

孤立するママ・パパにひとりでも多くきて欲しい

MM 山中: 今後の展望を教えてください。

小西: まず、参加者は増えていますが、まだまだリーチできていない、孤立を感じるママ・パパがいると思います。私もそうでしたが、コミュニケーションが苦手で、なかなか人が集まる場に顔を出せない方もいらっしゃると思います。ただ、人とのつながりや情報があると子育てが便利にラクになる部分もあると思います。私たちのひろばでなくてもいいです。「自分にあった居場所」の選択肢の1つとなれるように、もしくは見つけられるお手伝いができるようになりたいです。そのためには情報発信が大切だと思っています。 次に、パパコミニティを作りたいですね。社会、企業の変化もあってか、パパがお子さんをひとりで連れてくる姿も増えてきています。パパコミュニティも武蔵野の各地にできてきていると聞くので、境エリアも盛り上がるといいなと思います。

お勧めスポットは緑豊かな場所

MM 山中: 武蔵野のお勧めスポットを教えてください。

なかなか、絞り切れませんが、プレパークむさしの(境冒険遊び場公園)、高橋農園(武蔵境駅北口徒歩5分程度の広い農園)、独歩の森です。自然の中で深呼吸して、自分に戻れる場所が好きです。高橋農園で見る夕日は絶景ですよ。


編集後記

自らの経験をもとに、こんな場所があったら、と始めた活動は 周りの共感を得て、今や地域にとってなくてはならない存在になっています。形を変えながらも、繋りがより一層重要になるポストコロナ時代に、小西さんの活動は、今まで以上に重要性が高まると思います。武蔵野市にとって、大きなポテンシャルを持つこの活動から目が離せません。

About the Author

山中敦志

Co-Founder

武蔵野市吉祥寺北町在住、一児の父。学生時代にアメリカに留学、市民主体の自治に関心を持つ。 企業で環境・社会関連の業務に従事する傍ら、地域から自然エネルギーの普及を目指す、 NPOむさしの市民エネルギー(むーそーらー)やNPOみたか市民協同発電で地域活動を行う。 市民、市民団体、行政、企業の接点を創出し、社会的課題の解決すべく、MMの立上げに参画する。 武蔵野市のおすすめスポットは市役所隣の市民公園です。週末には市民公園の奥にあるフットサルコートで息子と近所の子供たちとサッカーをしています。

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About the Photographer

上澤進介

Co-Founder

武蔵野市関前在住、二児の父。1976年神奈川県川崎市生まれ。栃木県鹿沼市育ち。多摩美術大学を卒業後、建築設計事務所、広告制作会社を経てWeb制作会社を起業。子育てのために武蔵野市へ転居。会社も武蔵野市に移転して職住近接を実現。地域活動に関心をもち2017年2月から武蔵野市「地域をつなぐコーディネーター」の一期生としてコミュニティ活動に関わる方々と学びを深めている。 武蔵野市のおすすめスポットは三鷹の堀合遊歩道から中央公園へ続くグリーンパーク緑地です。子供たちと遊びながら中央公園へ向かうのが楽しいです。