今回で最後のレポートです。2月16日(日)成蹊大学で行われたフェアトレードフォーラムむさしの2020「パネルディスカッション ミツバチとつくる『Sustainable Community』」の内容をまとめてみました。
フェアトレードフォーラムむさしの2020のイベント内容についてはこちら
パネルディスカッションのレポートにはいる前に、吉祥寺ハニカムプロジェクトはご存知ですか?
ハニカムプロジェクトは環境共生都市「KICHIJOJI」への寄与をめざすプロジェクトです。都市養蜂を通じて世界中で激減しているミツバチの生態を知り、ハチをはじめとするポリネーター(植物の花粉を運んで受粉させる生き物)を保護し、街に花や緑を増やす活動をしていきます。また、ミツバチの働きによってもたらされるはちみつや作物を通じて、食の安全や地産地消への意識を高め、地域に新たなコミュニティをつくります。そのコミュニティを原動力として、多様な生物が活き活きと暮らすことができる持続可能な街づくりを実践し、地球規模で広がる環境問題へのアクションを起こしていきます。
https://www.facebook.com/kichijoji.honeycom/
今回進行を務めていただく養蜂家の金子裕輝さんを中心に、吉祥寺の大型商業施設や学校などを巻き込んだ環境共生都市を目指すプロジェクトです。
まずは金子さんのおはなしから。
以前はIT企業に勤めでお金を追う生活をしていたそうです。しかし、その限界を感じ、養蜂家へと転身したそうです。
ハニカムプロジェクトのきっかけは藤村女子の理事長である高橋あゆちさんが養蜂に興味を持ったことからでした。地域のつながりから金子さんを紹介してもらうものの、学校に巣箱を置くことは出来なかったそうです。
ならば別の場所に!まずは、金子さんの信頼度を増すために、クッキング部などと連携してお菓子のレシピを考案したり、イベントではちみつを使ったお菓子を販売したりして、学校とつながりのある人であるという事実を作ったそうです。
その後、アトレの川村和生さんに金子さんを紹介。
屋上に巣箱を置けないか打診するものの、アトレの屋上は駅のホームなので叶わず。
さらにそこから東急百貨店へとつながっていきます。食品担当の谷村哲司さんの尽力もあり、ついに吉祥寺にミツバチの巣箱が置かれることになります。
アトレと東急といえば同業のライバル!と思っていましたが、吉祥寺ではそうした大型商業施設も横のつながりが強くあるということを知りました。
これは吉祥寺という街の力なのでしょうか?
その後、ミツバチの巣箱は成蹊小学校へも設置されます。
成蹊小学校の山本剛大さんを中心に巣箱は設置され、子供たちがミツバチの観察や学校でつくる作物の出来にも貢献してくれているようです。
成蹊小学校でとれたはちみつは、子供たちの提案でオリジナルのラベルをつけてマルシェで販売されているそうです。通常より売れ行きもいいとか。
そうした自主性もこのプロジェクトの副産物のようです。
ちなみに、設置されてからまだだれもミツバチに刺されたりしていないそうです。
ミツバチはおとなしい生き物で、スズメバチのような蜂とちがい攻撃性が低いそうです。もちろんミツバチも針があり刺す可能性はあります。こちらから攻撃しなければあまり刺されないようです。
ハニカムプロジェクトでとれたはちみつや、その加工食品は月に一回、吉祥寺駅の南北自由通路で開かれる「COMMUNITY STAND」で販売されます。
コミュニティ形成型マーケットと位置づけ、Local & Sustainableをテーマに地域に根差し武蔵野エリアの農家さんや、スタートアップ企業、学生やハンディキャップのある方とつながり、持続可能な活動として環境保全やフェアトレード、SDGsへの取り組みへとつながります。
COMMUNITY STANDでは国際基督教大学の松丸里歩さんが中心となり活動を進めているそうです。
そして、この春からは国際基督教大学でもミツバチの巣箱を設置することになったそうです。新たな広がりが楽しみです。
たくさんの人に支えられ、魅力的な人たちを巻き込んで吉祥寺ハニカムプロジェクトは大きな渦を作っているように感じました。
フェアトレードはきれいごとだけでは成り立たず、基調講演で原田さんもおっしゃっていたように、経済をまわさなければならないのだと思います。
しかし、単なるお金の流れだけでなく、そこにたくさんの人の思いが重なることでフェアトレードとして成り立っていくのだと感じました。
はじめにあった市川さんの問いかけ「 大人が自分の言葉でフェアトレードがなにかを語れるようになること 」への答えを得ることはできたでしょうか?
自分はまだうまく言語化できていませんが、そのしっぽはつかめた気がしています。
谷口さんの言っていた意識高い系でなく普通のことにするということや、金子さんの社会貢献活動がちょっと気が引ける。ということもこうした活動の大きなヒントなのかもしれないと思いました。
ハニカムプロジェクトの「みんなで『はにかむ』ことにしよう」というキャッチフレーズはそうした気恥ずかしさを包んでくれる気がします。
フェアトレードフォーラムむさしの2020は終わりましたが、フェアトレードタウンへはまだ道半ばです。そして、フェアトレードはフェアトレードタウンになってからが本番なのだと思います。
Meetむさしのでは今後もフェアトレードむさしのの活動に注目していきたいです。
1回目と、2回目のレポートは下記からご覧ください。
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