10月28日(土)、10月29日(日)に井の頭公園にて開催予定のオーガニックフェスタを主催する「みたか子どもの食と未来を守る会」の寺澤さんにお話を伺いました。

子どもにとって本当に安全な食べ物は何だろう?その疑問から始まりました

「みたか子どもの食と未来を守る会」を立ち上げるきっかけはなんだったのでしょうか?

子どもが生まれてから食や環境への意識が大きく変わりました。妊娠・出産をファン助産院でお世話になり、優しく経験豊富な助産師さんたちから体のこと・食のことなど色々と教えていただいたことがきっかけで、「子どもにとって本当に安全な食べ物は何だろう?」と考えるようになり、口にするものをちゃんと考えて選ぶようになりました。

離乳食が始まり、普段何気なく買っていた商品の裏面を見るようになりました。

「この食品には何が入っているんだろう?」最初は素朴な疑問でした。
よく分からないものが色々入っているけど、「これらの添加物は何だろう?」「この調味料に含まれるものは?」と一つ一つ見ていくうちに、多くの疑問が湧いてきました。
「何のために入っているの?」「どんな影響があるの?」「子どもにとって本当に安全なの?」と考えるようになり、それから6年間、食の安全について調べてきました。
野菜・肉・魚・米・パン・調味料、それらを栽培し加工し販売し口に入るまでの間に、除草剤・殺虫剤などの農薬、保存料・着色料・香料などの食品添加物、飼育に使われる抗生剤・ホルモン剤など、見えないところで数多くの化学物質が使われていることを知りました。
その中には、海外では禁止されている添加物・農薬もあり、海外では販売できないけれど日本では許可されているから輸入されているものもあります。
保存期間を伸ばすため、色を良く見せるため、栽培しやすくするため、生産性を高めるため。それらは決して、それを食べる私たちや子どもたちの健康のためではないのです。

そのように食や環境に疑問を持ち続けていたため、上の子が来年小学校に上がることを考えた時に思い立って、学校給食のオーガニック推進とサポートをしているNPO法人メダカのがっこうの中村陽子さんを訪ねました。

「子どもたちに、安全な食・空気・土・水、そして未来を残していきたい。
多くの人々に知ってもらい、向き合ってもらい、それぞれの生活に持ち帰ってもらえるように、井の頭公園でオーガニックフェスタを行いたい。」

陽子さんは私の思いを真剣に聞いてくださり、すぐに応えてくださいました。
「三鷹の母集まれ!」と同じ想いを持った方、賛同してくださる方々に声をかけてくださり、12人が集まり、そこで市民団体「みたか子どもの食と未来を守る会」は発足しました。

それからはもう、あっという間にどんどん広がっていき、みなさんが紹介してくださったり繋げてくださったりして、今メンバーは21人になりました。

あの日、自分の想いを行動に移したから、今があると思います。

子どもたちに、安全な食・空気・土・水、そして未来を残していきたい

今後、実現していきたいことをお聞かせいただけますでしょうか?

目標は、子ども達に、安全な食・空気・土・水、そして未来を残していくことです。

食の安全性を追求していくにつれて、子どもの健康や将来について深く考えるようになりました。
本当に、今使われている農薬や添加物や多くの化学物質は、健康に影響はないのか?微量だから大丈夫、本当にそうなのか?私たちの子どもの代、孫の代まで、何の影響もないのか?このまま、この環境を次の世代に受け継いでいって、本当に良いのか?
子ども達の未来を考える際に、一人一人が自分の目で見て手に取って、確かめていってほしいと思います。

化学物質は、食べ物以外にも日常で触れるものにも含まれています。
香りが長持ちする洗剤・柔軟剤・消臭剤のマイクロカプセル、家や家具に使われる建材・塗料・接着剤、おもちゃ・おむつ・お手拭きなど、子どもたちの周りには化学物質が溢れています。口から摂取し、鼻から吸い込み、皮膚から経皮吸収して毎日蓄積されていき、いつか小さな体が許容できる量を超えてしまった時、幼くして化学物質過敏症を発症する子どもたちが増えているのです。

うちのわんぱく男子たち(6歳・4歳)は、おなかの中にいる時から食事に気を配り、生後も離乳食から化学調味料・添加物は与えず、無農薬野菜をたっぷり食べています。特に夏はトマトがいくらあっても足りないくらい食べますが、幸い三鷹は農業が盛んで三鷹ちびっ子農園に大変お世話になっています。トマトやナスをはじめ季節毎に色々な野菜を栽培・収穫でき、にんじんは採れたてを生であま~いと言ってボリボリ食べるのが大好きです。大地の恵みのおかげか、これまで健康に恵まれアレルギーも好き嫌いもなく元気いっぱいに育っています。

「子どもが元気に健康で、これからの未来を幸せに生きていってほしい」と、親なら誰もが願うことだと思います。

自分の街でオーガニックフェスタを開催する、子どもが暮らす場所をオーガニックの街にする、学校給食をオーガニックにする、化学物質過敏症を発症する子ども達を減らす、といった活動を、今回の井の頭公園をきっかけとして、各地域のみなさんが知って立ち上がり、いずれは全国に広がっていったらいいなと思っています。

それぞれの活動と想いを繋げて、一つの大きな輪にしたい

オーガニックフェスタをどのようなイベントにしたいのでしょうか?

オーガニックフェスタ in 井の頭公園は「自然との共存、循環」をテーマにしています。
三鷹武蔵野中心に、自然環境と循環を意識した活動をしている様々な分野のお店や団体、体に良い物を扱うオーガニック関連のお店に出店していただき、井の頭公園でフェスタを開催することで、多くの方々に興味を持ってもらえる、自然と共存していく生活を送ってもらえるように、そしてそれを一時的にではなく日常に繋げることができたらと思っています。
そのような想いを込めたフェスタのコンセプトは「消費から循環へ〜子どもたちといっしょに、これからのライフスタイルを体験しよう〜」です。

「日常」という言葉がキーワードだと感じました。今後、どのように市民の日常にオーガニックを伝えていこうとしているのでしょうか。

日々の生活の中で、子ども達を取り巻く環境や自然について改めて気づく機会って少ないと思います。大切なことでも、きっかけがないと気づくことが難しい。イベントを開けば、オーガニックについて今まで全く関係なく過ごしていた人が知るきっかけになったり、多くの人々が出逢う機会を作れると思いました。
一度きりのイベントだと一回のお祭りで終わってしまうので、それを日々の生活につなげるために「三鷹・吉祥寺オーガニック&ナチュラルマップ」を作成しようと考えてます。

「三鷹・吉祥寺オーガニック&ナチュラルマップ」には、三鷹武蔵野の自然環境に配慮したお店を載せようと思っています。そのお店を日常で使ってもらうことになれば、オーガニックフェスタという非日常を少しずつ日常にできるのではと考えています。
そういう取り組みを毎年続けていくことで少しずつ浸透し、変わっていくのではないかなと思っています。みたか100年の森マップと共に。

最後に伝えたいことがあれば教えてください。

オーガニックフェスタを通して、多くの人々と繋がっていくと、三鷹・武蔵野には、本当に自然環境と子どものために活動している方がたくさんいることが分かりました。

それぞれがそれぞれに想いを持って、環境のため・子どものために活動されているのです。
私は、フェスタを通じて、この想いと活動を繋げて一つの大きな輪にしたいと思っています。
そして少しでも多くの人々に、出逢う「きっかけ」を作りたい。

他人に何か言われたところで、簡単に腑に落ちたり心に響いたりはしないし、行動には繋がりません。
だからこそ「自分で出逢う」というきっかけを作りたかったのです。そこに遊びに行き、たまたま聞こえてきた、たまたま手に取って読んだ、食べてみた。そんな風に、五感に訴えながら、自分で出逢うきっかけ・考えるきっかけを作りたいと思っています。

私自身は出産するまでずっと会社員で、マルシェやフェスタはあまり行ったことがなく、ましてや開催したことなどなかったので、立ち上げたばかりの頃は何をしたらいいか全くわからない状態で、まずはとにかく三鷹周辺で長年活動されていらっしゃる方々に話を聞いて回りました。

すると、会う方会う方が、本当に真剣に向き合って話を聞いてくださるのです。みなさまの想いと歴史を受け継ぎ、自分自身も徐々に方向性とやるべきことが見えてきました。
そして、数えきれないほど多くの賛同してくださる協力者のみなさま、素晴らしいメンバーひとりひとりの多大な活躍があったからこそ、ここまで来ることができました。

0を1にするのは本当に大変でした。でもこれからの環境と社会と子どもたちを想うと必要で大切なことと、みんなそれぞれ忙しい合間に時間を作り、できることを分担して協力して、ぶつかりながらも大事なことをすり合わせして、フェスタ素人集団が、何とかここまで作り上げてくることができました。

「みたか子どもの食と未来を守る会」のメンバー21人は、個性豊かで、それぞれが本当に素晴らしい活動をしています。
一人一人をじっくり紹介してお伝えしたいです。是非、メンバー紹介欄をご覧になってください。

そして出店者のみなさん、講演者のみなさんも素敵なんです。多くの方々へ紹介したいお店、聴いてほしいお話、みなさん素敵な方々ばかりなので、ぜひぜひチェックしてみてください。

そして当日には、「三鷹・吉祥寺オーガニック&ナチュラルマップ」ができあがります!
マップを持ち歩くだけで、赤ちゃんや子ども達と安心して使えるお店はどこかが一目で分かるようになります。
楽しみにしていてください。

「みたか子どもの食と未来を守る会」が主催するオーガニックフェスタin井の頭公園もみたか100年の森マップに描かれている


インタビューを終えて(編集後記)

お話を聞かせて頂き、子どもの未来、食の大切さにとても真摯に向き合い考えられていると感じました。

自分が住んでいる武蔵野市の取り組みなどを話している中で、「三鷹と武蔵野って兄弟みたいな感じがするよね。」と言葉掛けをしてくれ、嬉しく感じました。共通点を見つけ、つないでいく、それが自然にできるから、多くの人の想いが、オーガニックフェスタで世代を超えてつながっていくのだなと感じました。

今ある身近にあるものを大切にし、活かす。それだけで体にも心にも自然にも優しく、豊かになれる。

そんなことを教えて頂きました。

オーガニックフェスタ。参加することで体も心も自然に豊かになれると思います。よろしければ、ご参加ください。

オーガニックフェスタin井の頭公園

環境に配慮した地球に優しいフェスタ、紙面からは泣く泣く割愛させていただきましたが、インタビューでも環境へのやさしい想いを伺いました。

場所:井の頭公園文化交流広場

フェスタのコンセプトは「消費から循環へ〜子どもたちといっしょに、これからのライフスタイルを体験しよう〜」です。
木々に囲まれた井の頭公園の西園に、三鷹産無農薬野菜の販売、量り売りなど、三鷹を中心としたお店が立ち並びます。素材にこだわった飲食も楽しめますよ。からだの仕組みや食、自然環境についてのお話会は、どなたでもご参加できます。ワークショップでは、つくる喜びや、ものを大事に長く使える知恵や工夫を体験!
豊かさをともに味わいましょう。フェスタで得た生活の中で使える知識や技術は、家庭に持ち帰り、ぜひ毎日の暮らしに取り入れてください。日常のお買い物の中で、つくり手の顔が見え、出会いや再会の場につながることも目指しています。
(引用:オーガニックフェスタホームページより)


オーガニックフェスタホームページはこちら
オーガニックフェスタFacebookはこちら
オーガニックフェスタinstagramはこちら
 インスタでボランティアスタッフさんの募集もされています。

みたか子どもの食と未来を守る会

「みたか子どもの食と未来を守る会」は、わたしたちを取り巻く環境に目を向け、いまを生きる子どもたちのため、そして未来へと繋げていくために、循環型の社会をデザインしていきたいと集まった子育て世代を中心に2023年4月に三鷹で発足
三鷹周辺には、すでに循環型ライフスタイルを取り入れ、地域に根差したお店がたくさんあり。その魅力や取り組みをご紹介・体験する衣食住のトータルライフイベント「オーガニックフェスタin井の頭公園」を開催
(参考:オーガニックフェスタホームページより)

みたか子どもの食と来を守る会についてはこちら

みたか子どもの食と未来を守る会メンバー紹介

代表 寺澤 亜由美さん
 三鷹市在住 2児の母

副代表 駒井 佳代さん
 保育士、幼稚園教諭、発酵ごはんの先生
 instagram

監査役 林 昌子さん
 食のくらす子どもクッキング主宰  管理栄養士
 女子栄養大学生涯学習講師
 「女子栄養大学 栄養クリニック きれいにやせるダイエットスープ」著
 ホームページ

五十嵐 はるかさん
 編集者。主に育児を中心とした生活や健康、社会活動の取材・執筆、絵本制作に携わる
 もりのひとみっけより

大友映男さん(やさい村代表) 
 三鷹市で40周年を迎えた自然食品店やさい村の村長。
  約30年前から武蔵野市を中心に有機給食の食材納品も始める。
 「食べ物と大地(自然)を健全にする事」「いのちや生命」に対する認識を広めていく多くの活動を行う。
  太極拳講師、手技講師 

新野智也さん(やさい村2代目代表)
 三鷹産れ・三鷹育ち、一児のシングルファーザー。
 やさい村を通して地域の方々や子供たちを取り巻く環境や未来が少しでも良くなるよう、様々なイベントの企画・運営を行う。
 ■Instagram https://instagram.com/mitaka_yasaimura 
 ■HP http://www.yasaimura.jp/

小林 加代さん
 デザイナー・呼吸教室・農ライフ
 instagram
 あつまれ! ぶどうの森グランピングフィールド
 マーマーな農家サイト

あすなろさん
 instagram

菅野 奈穂さん
 NPO法人メダカのがっこうスタッフ、オーガニック給食研究家 
 フランスのオーガニックスクールシェフによる研修会を小金井市で実施
 記事はこちら

佐藤 侑子さん
 炭のお菓子、体にいいお菓子の製作

千葉 美穂さん
 メディカルアロマ健康サポーター・楽天ショップSizuku 

仲野 佳子さん
 約半世紀三鷹市在住 三児の母

中村 陽子さん
 NPO法人メダカのがっこう 理事長
 日本の種を守る会常任幹事
 OKシードプロジェクト共同代表

齋藤 智子さん
 おばあちゃんピラティスインストラクター

松原 貴美子さん
  シンプルで丁寧な暮らしの案内所ここいら 店長

眞弓 英和さん
  座組株式会社 代表
  詳しくはもりのひとみっけ人物紹介をご覧ください

三木 綾子さん
 地域福祉ファシリテーター・薬草コーディネーター

皆川 優子さん
 園芸療法士
 三鷹ちびっ子農園 副会長

吉田 紀子さん
 神聖幾何学フラーレン認定講師・石油化学物質不使用化粧品と日用品アドバイザー

龍 のり子
 縄文開運パン 古代小麦栽培中♪ 幸せパン作家  
 FMラジオフチューズ火曜お昼のパーソナリテリティ

ルモアン 直美さん
 会社員として働きながら、ルモアン東京を設立
 まちの未来像「みたか100年の森」を仲間で作成
 三鷹まちづくり総合研究所研究員(~2023年3月)
 女子栄養大学特別講師、生涯学習講師
 詳しくはもりのひとみっけ人物紹介をご覧下さい

About the Author

しげ3

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就職お手伝いサイト mikkework(みっけワーク)代表、地元応援サイト「地元を応援したいんだ!」管理人、「吉祥寺テイクアウトMAP」管理人、Code for Mitaka/Musashino所属吉祥寺同好会所属、ブックマンション棚主、SE(本職)など、いろいろ頭を突っ込んじゃう人ですw

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