成蹊大学経済学部 小田宏信ゼミ×Meetむさしの
Meet むさしのは、成蹊大学経済学部 小田宏信ゼミにて、「インタビューを通した、基礎的な課題解決手法の習得」を目的とした、ワークショップ型の授業を2026年5月に実施しました。
本授業における、インタビュー対象者は、武蔵野市にも縁があり、フィジーに住み、現地の社会課題を解決する事業を展開する社会起業家の川上さんで、日本に帰国した際に授業にお越し頂きました。
小田ゼミの3年生が4チームに分かれて、フィジーの価値観・生き方、ゴミ問題をテーマにインタビューを実施し、簡易的なインタビュー記事を作成しました。
インタビュアー 野澤、塩谷、伊東、矢崎
近年、美しい観光地として知られるフィジー共和国。そこには、観光業の発展により経済が潤う一方で、1日100トンにも達するゴミと処理施設不足の問題が存在しています。
海外旅行を「ただ楽しむもの」と思っていた私たちに、その現実は何を問いかけるのでしょうか。フィジーのゴミ問題の現在地と再生への道筋を、現地で活動を行う川上晃史さんに伺いました。

フィジーのゴミ問題について教えてください。
焼却炉がないために、大量のゴミを抱えてしまうことです。
フィジーには、日本にあるような、ゴミを燃やすための焼却炉がありません。分別もされず、ゴミはそのままゴミ山に積み上げられていきます。観光業の発展も相まって、その量は1日あたり100トンに達します。
以前はゴミに火をつけて処理していましたが、環境面に配慮して中止されました。しかし皮肉なことに、焼却されなくなった分、ゴミ山に積まれるゴミはかえって増えているというのが現状です。
日本では「ゴミ=汚いもの」という感覚が強いと思います。フィジーの人々にとって、ゴミとはどのような存在なのでしょうか。
日本人の感覚から見ると、理解しづらいと思います。
近年は、プラスチックや車などの人口物が多く、人の手を介して処理が必要なゴミが増えています。しかし、もともと出ていたごみは、自然に還るものがほとんどでした。フィジーでは、その考えの延長線上にペットボトルなどがあるため、ゴミと『汚い』『いけないことだ』という意識が結びついていません。
フィジーのゴミについて考えるときは、日本とは価値観そのものが違うという点を、まず理解する必要があると思います。
私たちは事前の調査から、フィジーのゴミ問題の解決策の一つとして、プラスチックゴミの回収を観光地の店舗で行い、国の支援のもとでキーホルダーなどの再生製品に活用する仕組みが有効ではないか、と考えました。ゴミ箱に捨てるのではなく、プラスチックを「返してもらう」この取り組みについて、お考えをお聞かせください。
面白い取り組みだと思います。
ただ、大切なのは、アイデアを考えることだけで終わらせず、まずは今の環境でできることから実際に試してみることです。机上で議論を重ねるよりも、小さくても行動に移し、そこで見えてきた課題をもとに改善を繰り返していくことが重要だと思います。
例えば、身近なところでいえば、自分の父親に家庭でのゴミの扱い方を変えてもらうよう働きかけてみる。それも立派な第一歩です。
最初から完璧な仕組みをつくろうとするのではなく、まずやってみる。そして、そこから学び、修正を重ねていく。その積み重ねが、実際に社会を変えていくことにつながるのだと思います。

編集後記
私たちのグループは、フィジーのゴミ問題は現地の人々だけの問題ではなく、世界中の人々が関わっている問題であることを伝えたいという思いから、今回のインタビューを行いました。そして、その関わり方の一例として、私たちにとって身近な海外旅行という視点から、観光とゴミ問題の関係に着目しました。
今回は、事前調査を行ったうえで、事実を確認するインタビューとなりました。その点に関しては、必要な情報を引き出すことができたので、狙いは成功したと感じています。しかし、せっかく現地で活動をされている川上さんに話をお聞きする機会をいただけたのだから、インターネットで調べても出てこないようなお話を聞き、皆様にお伝えする方法で行うのも1つの手だったと思いました。
また、私たちなりに考えた解決案の提案まで行い、それに対するフィードバックをいただきました。この記事をきっかけに、フィジーのゴミ問題だけでなく、私たちの身近な環境問題についても関心を持っていただければ幸いです。




