佐藤 誠さんプロファイル

NPO法人 むさしの市民エネルギー(むーそーらー)代表理事

神戸市須磨出身 1998年より武蔵野氏在住
東京大学経済学部卒 三和銀行(現三菱UFJ銀行)にて、ロンドン、サンフランシスコ等の海外支店の支店長や国内の支店長を歴任した後、銀行退職後、2014年よりむ~ソーラーの代表を務める 。


異常気象に危機感。子供たちの未来のために

エネルギーを「使う側」から「作る側」へ 。
地球規模で異常気象を起こし、生態系にも大きな影響を及ぼしつつある地球温暖化。その原因の一端は私達が使用する電気にあります。普段意識することのない電気ですが、その多くが、地球温暖化の原因である二酸化炭素を排出する、石炭、石油をエネルギー源とする火力発電で作られています。また、2011年3月11日に起こった東京電力福島第一原子力発電所の事故が、火力発電依存を一層高めています 。

震災から時間が経ち、日本では、エネルギー問題や地球温暖化の問題を取り上げるメディアも少なくなりましたが、世界では、パリ協定にみるように政治、行政、民間企業、非営利組織が一致団結して、地球温暖化に立ち向かうべく、地球温暖化の元凶である石炭、石油等の化石燃料由来のエネルギーから自然エネルギーの転換に向け、アクションを起こしています 。

国際金融から市民活動へ

1974年に銀行に入行しました。時に高度経済成長真っただ中で、給与もどんどんあがる時代。昼夜、平日休日問わず、とにかく、がむしゃらに働いていました。四谷支店を皮切りに10年ほど営業をやった後、本社へ。本社では広報、企画等を経験し、1989年にロンドンへ赴任。ベルリン崩壊という東西冷戦が終わる象徴的なイベントに直面します。さらに、アメリカのダラス、サンフランシスコにも赴任しましたが、そこでは金融危機に見舞われました。長い海外勤務でグローバルでの政治経済の変化を間近で見るという貴重な経験をしましたが、その一方で、当時日本ではまだまだ稀だった女性がフロントですごく活躍している姿を見て女性の能力の高さを認識したのを鮮明に覚えています 。

銀行員の定年は早い。50歳にもなると銀行の外に出るのが一般的です。私も50歳を過ぎてから、銀行を出て、時間ができるようになりました。勤務時間が減ったことで、心身ともに余裕ができて、市民活動への一歩を踏み出すことに 。

当時、健康改善を目的に井の頭公園を散歩し始めたのですが、綺麗な鳥が目に入って、鳥を入り口に自然にのめり込んでいきました。そんな中で、現在も活動している井の頭かんさつ会に出会います。井の頭公園の自然を知ってもらい、生き物の繋がりを理解してもらうことを目的に月1回の観察会を行っていますが、この団体で10年以上活動しています。また、外来種の駆除を目的とした「かいぼり」にも過去3回参加しました 。

井の頭観察会に参加して下さった、ある参加者との出会いがありました。2011年の東北大震災以後、脱原、自然エネルギーの普及を武蔵野でも広げようと活動している、その参加者から誘いを受けて勉強会、立上げ事務局に顔を出しているうち、今のポジションに就くことになってしまいました。他のメンバーは忙しいので、少しでもお役に立てればと思いお受けしました 。

市民活動の原点

六甲山の麓にある神戸の須磨出身ですが、小さい頃はまだ自然も多く、夏はセミやトンボを採ったり、海で泳いだりと、自然に触れる機会に恵まれていました 。
文武両道で有名な中高一貫校に進学した為、青春時代のほとんどを卓球に使いました。 大学では、ヨット部に。大学時代の多くを湘南、江の島で過ごしました。華やかな青春時代に思われることも多いのですが、実態は男子のみでの活動。天候に左右される海を相手にするので、非常にハードでした。残念ながら卓球部時代と変わらず、なかなか女性とは縁がありませんでしたね(笑)

当時は全く意識しませんでしたが、振り返ってみると、小学生の頃の自然体験や大学時代の海を相手にしたヨットというスポーツが、30年の時を経て、自然をテーマにした市民活動に繋がっているのかなとも思います 。

市民活動は物事の本質を考えるきっかけ

若い人達には、物事の本質を考えるクセをもって欲しいと思います 。

自分は、会社での仕事に人生の大半の時間を費やしてきました。高度経済成長という時代背景もありましたが、今振り返ると、所謂「会社の論理」に流されてきたこともあったのかなと思います。「会社の論理」は時に「社会の論理」とは乖離していることもあります 。

会社という組織を出て、市民活動に少し足を踏み入れることで、市民感覚、生活実感を取り戻し、その結果として、物事の本質を考えるきっかけにもなるのかな、とも思います 。

市民活動はリタイアしてから・・ではなく、30代、40代、50代の忙しい世代にも、ぜひ参加して欲しいですね。短い時間でも、お子さんと一緒でも大丈夫です。楽しみながら一緒にアクションしていきましょう 。


編集後記

元銀行の支店長とは思えない、物腰が柔らかく、柔軟な姿勢を持つ佐藤さんに自然と人が集まり、現在も組織の代表に就かれているのかなと思いました 。
地球温暖化という難しいテーマを扱いながらも、持ち前の自然体の姿勢で楽しみながら活動し続ける佐藤さんとむ~ソーラーに注目です。

About the Author

山中敦志

Co-Founder

武蔵野市吉祥寺北町在住、一児の父。学生時代にアメリカに留学、市民主体の自治に関心を持つ。 企業で環境・社会関連の業務に従事する傍ら、地域から自然エネルギーの普及を目指す、 NPOむさしの市民エネルギー(むーそーらー)やNPOみたか市民協同発電で地域活動を行う。 市民、市民団体、行政、企業の接点を創出し、社会的課題の解決すべく、MMの立上げに参画する。 武蔵野市のおすすめスポットは市役所隣の市民公園です。週末には市民公園の奥にあるフットサルコートで息子と近所の子供たちとサッカーをしています。

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About the Photographer

上澤進介

Co-Founder

武蔵野市関前在住、二児の父。1976年神奈川県川崎市生まれ。栃木県鹿沼市育ち。多摩美術大学を卒業後、建築設計事務所、広告制作会社を経てWeb制作会社を起業。子育てのために武蔵野市へ転居。会社も武蔵野市に移転して職住近接を実現。地域活動に関心をもち2017年2月から武蔵野市「地域をつなぐコーディネーター」の一期生としてコミュニティ活動に関わる方々と学びを深めている。 武蔵野市のおすすめスポットは三鷹の堀合遊歩道から中央公園へ続くグリーンパーク緑地です。子供たちと遊びながら中央公園へ向かうのが楽しいです。